奈義フォーラム閉幕

jichitaiforum2011-11-06

5日、6日と開催した全国小さくても輝く自治体フォーラムin奈義は、以下の参加者アピールを採択して、閉幕しました。

※ 上の写真は、5日夜の交流会。奈義町名産のサトイモ料理各種、なぎ牛料理など、地元の心づくしの料理が並びました。

第16回全国小さくても輝く自治体フォーラム 参加者アピール

 今年3月11日に発生した東日本大震災は、地震・火災・津波の被害も多様でかつ大きく、また被災した地域が広範囲に及びました。住民の暮らしと生業、地域経済の復旧・復興にむけ、懸命な努力が始まっています。そのなかで明らかになったことは、第一に集落とコミュニティの重要さです。第二に、基礎自治体の大切さ、特に小さなコミュニティに手の届く小規模自治体の存在意義をあらためて確認することができました。そして、第三に、自治体間の日常的な交流にもとづく横の連携が必要だということです。
 一方、東京電力福島第一原子力発電所の事故は収束の気配もないばかりか、環境中に放出された放射性物質によって、県境をこえ、住民と自治体がその深刻な影響を長期にわたって受けています。
 現在、政府が交渉参加にむけた検討を急いでいるTPPは、復旧・復興に向けて懸命に努力している被災地や地道な地域づくりを進めてきた全国の地域経済社会に重大な影響をもたらすものであり、全国町村会や多くの都道府県議会・市町村議会においても反対決議等があがっています。
 東日本大震災は、国民にあらためて農山漁村の大切さを再確認させるものとなりました。都市対農村、東京対地方の格差が極限まで拡大している今日、そうした深刻な格差を是正するとともに、いずれの地域に住んでいても憲法で保障された文化的な生活と個人の社会権とを保障できるための地方自治体でなければなりません。また全国町村会も反対するように、道州制の導入は、小規模自治体やそこでの住民の生活基盤そのものを破壊してしまいます。

 さて、私たち、全国小さくても輝く自治体フォーラムの会は、2003年2月に長野県栄村で開催して以降15回開催してきた「小さくても輝く自治体フォーラム」の伝統のうえにたち、さらに小規模自治体の魅力を高め、交流するとともに小規模自治体の存在意義を全国民にアピールしていくことを決意し、恒常的に活動する会員組織として設立いたしました。今後まずは、東日本大震災を教訓に、たとえば災害対策の相互支援協定のような小規模町村どおしの仕組みづくりにお互いさまの精神で取り組みます。
今回の奈義町でのフォーラムは、「全国小さくても輝く自治体フォーラムの会」として主催する2回目のフォーラムです。私たちは岡山県の北東部、秀峰「那岐山」の南麓に広がる奈義町に集まりました。奈義町は、江戸時代からの伝統芸能の横仙歌舞伎を伝承するほか、現代美術館等の教育文化施設の整備など、地域の歴史や伝統を大切にされてきました。また、恵まれた自然環境を生かし、農村と都市との交流拠点を整備するとともに、地域資源を活かした特産品開発、直売所の改革、農業体験と農家民泊など農・商・観連携の取り組みを行ってこられました。
 奈義町の取り組みに学びつつ、お互いに交流することができた今回のフォーラムを通じて、私たちは、地域の文化を大切にしながら「地元力」を高めてきた小規模町村としてのこれまでの取り組みに確信をもつことができました。また、農山漁村における再生可能エネルギーの可能性を確認することができました。これからも、それぞれの地域で、住民福祉の向上と地方自治の発展のため力を尽くすことを表明して、参加者一同のアピールといたします。

       2011(平成23)年11月6日
       第16回全国小さくても輝く自治体フォーラムin奈義 参加者一同