フォーラムアピール

jichitaiforum2010-09-28

 26日のフォーラム最終日に採択された、参加者アピールは以下のとおり。

第15回全国小さくても輝く自治体フォーラムin酒々井 参加者アピール
 鳩山内閣をひきついだ菅内閣は、参議院選挙前に「地域主権戦略大綱」の閣議決定を行いました。義務付け・枠付けの見直し、基礎自治体への権限移譲やひも付き補助金の一括交付金化などの具体化のための議論が、今後、来年度予算策定のなかで、片山総務大臣のもとでも、進んでいくものと思われます。これまでの「平成の市町村合併」や「三位一体の改革」によって広がった、都市対農村、東京対地方の間の深刻な格差を是正する方向と、憲法で保障された健康で文化的な生活と個人の社会権を、自治体の規模に関わらず、いずれの地域に住んでいても保障できる制度的・財政的裏打ちこそ求められています。
 同時に見逃せないことは、「大綱」では、「地方や関係各界との幅広い意見交換も行いつつ、地域の自主的判断を尊重しながら、いわゆる『道州制』についての検討も射程にいれていく」というかたちで、「道州制」が盛り込まれたことです。全国町村会も反対するように、道州制の導入は、小規模自治体やそこでの住民自治やその生活基盤そのものを破壊することにもつながりかねません。また、「大綱」では、地方自治法の抜本見直しとなる地方政府基本法の制定がうたわれましたが、地方行財政検討会議でも、地方自治法の抜本改正にむけた基本的考え方をまとめました。平成の市町村合併策はひとまず終止符を打ったとされましたが、小規模自治体の存亡をあやうくする改革が議論されようとしています。
 私たちのような小規模自治体は、山や川、海と緑を、そして国境をも守ってきました。住民の健康や福祉を向上させるとともに、地域の振興に取り組んできました。住民を主人公とする協働の取り組みも行ってきました。私たちは、本年5月、「フォーラム」の輝かしい伝統の上に立ち、さらに小規模自治体の魅力を高める取り組みと交流を日常的に強化し、お互いに切磋琢磨するとともに、小規模自治体の存在意義を全国民にアピールしていくことを決意し、恒常的な会員組織を立ち上げました。今回の酒々井町での「フォーラム」は、恒常的な会員組織「全国小さくても輝く自治体フォーラムの会」として主催する初めてのフォーラムとなりました。
 今回のフォーラムでは、地域課題を解決するための自治体らしい創意工夫あふれた各地の取り組みが紹介、報告されるとともに、とくに、住民自治を保障している小さい自治体だからこその価値と、それを支える行財政制度の仕組みが必要であることが、明らかになりました。あらためて、小規模自治体の果たしてきた価値、今後も引き続き果たさなければならない役割を、痛感させるものとなりました。私たちは、これらを胸に、それぞれの地域で、住民生活と地方自治の発展のため、力を尽くします。私たちのこれからの取り組みにぜひご理解、ご協力をお願いいたします。

2010(平成22)年9月26日
第15回全国小さくても輝く自治体フォーラムin酒々井 参加者一同